イギリス菓子に興味のある方も多いだろう。
アフタヌーンティーは今でも大きな人気があるようだし。
日本の大きなデパートでよく「イギリス展」なんてものが開かれていて、来場者も多いと聞く。
料理がマズイと言われているイギリスで、イギリス菓子が人気があるのは嬉しいことである。
『オーブンなしで作れるイギリス菓子 ウェルシュケーキ』を作ってみたいと思う。
イギリス菓子の美味しさのカギ デイリープロダクト
イギリス菓子はっきり言って地味。
以前一緒に働いていた、イギリス人のぺイストリーシェフ、ジェニーは、
「イギリス菓子は、どれもこれも可愛くないのよ!」
と半分あきらめ顔で話してくれた。
しかし、イギリス菓子には素朴な美味しさがあることは、あなたも同感してくれるだろうか?
シンプルな材料で、シンプルな作り方。
シンプルな料理は素材が重要なカギとなる。
お菓子作りに欠かせない主な材料は、バターやクリーム、牛乳などの乳製品、そして小麦粉。
この乳製品がイギリス菓子を美味しくさせている大きな要因だと、私は確信している。
乳製品、英語では、
Dairy product/デイリープロダクト
というカテゴリーに属している。
牛乳をはじめ、バターやクリーム、ヨーグルト、そしてチーズなどはすべてデイリーと呼ばれている。
紅茶に入れるミルク。
スコーンにつけるクローテッドクリーム。
ショートブレッドビスケットに使うバター。
デイリーである乳製品はイギリス料理に大きくかかわっている。
ミルクは濃厚で、クリームは至福の味わい。バターも薫り高くスコーンなんか作っていると、小麦とバターの良い香りがしてくる。
又、イギリス人はチーズも大好き。
その中でもイギリス生まれのチェダーチーズは大好物で、スーパーのチーズ売り場でも大きな場所を締めている。
その他イギリス生まれの有名なチーズは、スティルトンチーズという、青カビ系のブルーチーズだ。
お国料理は、その国で採れた素材を使ったものにはかなわない
イギリスの乳製品の美味しさ。
これが日本でスコーンを作っても、イギリスのもののように美味しく出来ない理由だと思う。
やはり、その土地の郷土料理というのは、その土地で作られた美味しい材料を使うことで生まれる。
そう考えれば、イギリスで作られたスコーンが一番おいしいのは、当たり前のこと。
▼手打ちパスタを出すイタリアンが、セモリナ粉をイタリアから輸入する。
▼フランス料理店がおいしいフランス産のバターやワインを使う。
これらは、全てその国で食べられている料理のおいしさを、出来る限り再現しようとしている試みにほかならない。
ロンドンで日本の水を空輸して和食を作っていた。
みんな、そういうことなのだと思う。
もし、家でおいしいスコーンを作ってみたければ、冬にイギリスに来ると良い!(^^)!。
バターとクローテッドクリーム、小麦粉をお土産に買っていくのだ(笑)。
私も冬に一時帰国した時、クローテッドクリームを人のお土産に買っていったことがある。
賞味期限のあるものだから、羽田に到着してすぐ、空港内のクロネコヤマトでクール便で郵送した。
もちろん、フライト日の朝に購入したスコーンとバターも同封して。
今回紹介するウェルシュケーキはスコーンとよく似た焼き菓子。
イギリス、ウェールズ地方の郷土料理である。
日本人にはあまり知られていない存在だが、イギリスではスーパーでも売られている。
身近な材料で、オーブンなしで作れるので、挑戦してみてはいかがたろう。
そして、イギリス旅行に来た際には、ホンモノを味見することも忘れずに。
オーブンなしで焼けるイギリス菓子 ウェルシュケーキ レシピ
【材 料】
小麦粉 | 225g |
ベーキングパウダー | 小さじ2 |
オールスパイス | 小さじ1 |
塩 | 小さじ1/4 |
バター | 100g |
卵(L玉) | 1個 |
牛乳 | 大さじ1~2 |
レーズン | 30~40g |
【作り方】
➊ボールに小麦粉、ベーキングパウダー、オールスパイス(五香紛でもいい)を入れ、良く混ぜる。
冷たいバターをダイス状にカットしたものを加える。
指先を使い、バターと粉類をすり混ぜていく。
バターが溶けないように素早く。
出来上がりは、しっとりした粉が出来上がると思う。
➋小さなボールに卵と牛乳を合わせ混ぜる。
➌テーブルナイフなどを使い、卵と牛乳のミックスを少しずつボールの粉に混ぜていく。
ポイントは、水分のないところをねらい、少しずつ、少しずつ加え、ナイフで切るように混ぜていく。
➍水分は加えすぎない。
様子を見ながら、やっと生地がまとまるくらいで止めること。
そして捏ねすぎないこと。
➎作業台に小麦粉をうすくはたき、まとめた生地を麺棒でのばしていく。
厚さは1cmほど。
フライパンで焼くので、あまり厚すぎると中まで火が入る前に焦げてしまう。
抜型でぬく。
➏フライパンを弱火で熱する。
熱くなってきたら型でで抜いた生地をそっと置き、フタをして5,6分焼く。
※ホットプレートで焼く場合は、フタなしで大丈夫。
キツネ色になったらひっくり返し、フタなしで再び5分程焼く。
➐焼けたらラックにとり、熱いうちにグラニュー糖を少々ふりかける。
➑ウェルシュケーキはこれで出来上がり。
でも、冒頭でも書いた通り、イギリス菓子は可愛くない。
私はここに、泡立てたクリームとイチゴでおしゃれさせてみた(写真参照)。
まとめとポイント
ウェルシュケーキのレシピはだいたいフタなしで焼いている。
しかし、生焼けになったら元も子もない。
ホットプレートなどで焼く場合は、温度が一定に保たれるが、直火の場合はそうもいかない。
私は、中までしっかり火を通す意味で、ひっくり返すまではフタをしてみた。
これで火の通りもしっかりだと思う。
飾り付けはしてもいいし、このままでもお茶の共として美味しい。
食べるオケージョンによっていろいろ変化させてみてはいかがだろうか。